第8回 【クロと一緒に盛岡へ/後編】

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盛岡2日目の夜もトップリと暮れた。

この日もクロをホテルの部屋に置いてけぼりにして飲食街を彷徨った挙句、
直感を信じて【割烹酒場TAGA】に飛び込んだが、これが大正解。

供される料理はすべてにおいて素晴しく、
岩手の地酒とともに、ゆったりと満ち足りたひとときを過ごした。

さらに特筆すべきはハイボール。

リキュールに漬け込んだレモン、またはオレンジが添えられるのだが、
これが信じられないほどウィスキーの炭酸割りの風味を引き立てる。

おかげですっかり気持ちよくなってホテルに戻り、先にシャワーを浴びる。
続いて愛妻がシャワーを浴びている間、早くも睡魔が襲ってきた。

「クロ、一緒に寝ようね~♪」

そう言って嫌がるクロをむりやりベッドに引きずり込み、
あっという間もなく眠りに落ちる。

シャワーから上がってその光景を目にした妻は
58歳男性とはとても思えぬ所業に呆れ果てつつシャッターを押す。

上の写真はおじちゃんのイビキに目を丸くして眠れないクロ(笑)。

私は翌朝スッキリと目覚めたが、横を見るとクロがいない。
どうやらあまりの轟音にベッドから逃げ出し、テーブルの上に避難したようだ。

朝食を済ませて11:00にホテルをチェックアウト、
菜園通りをゆるゆると歩き、盛岡城跡公園の坂を上る。

かつて本丸があった、公園内で最も高い場所にある東屋からは
盛岡市内が一望でき、10月爽やかな風が吹き抜ける。

周囲に人もいないのでクロをリュックから出してベンチに座らせ、
盛岡の新鮮な空気に触れさせる、気持ちいいでしょ?

帰りの新幹線もほぼ満席だったが、カーテンで隠されたクロは
1時間以上にわたって移り変わる車窓からの景色を
いつまでも飽くことなく眺め続けてていた。

それでも自宅に帰り着いてようやくリュックから出され、
定位置であるソファの袖に座らされたクロは、私たちに目で訴える。

「やっぱり、おうちがいちばんいいね」
 

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おじちゃん

現在59歳の自営業男性
妻とクロとの3人暮らし。